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感想「鈴木絢音1st写真集『光の角度』」はなぜ鈴木の素の姿を写し出すことができたのか

2020年11月10日に、乃木坂46の2期生である鈴木絢音さんの1st写真集『光の角度』が発売になった。


私は、そんな鈴木絢音さんのファンだ。
2期生のお披露目の際にその純粋無垢な様が気になったことがきっかけで、私は鈴木絢音さんのことを応援し始めるようになった。
テレビでは比較的控え目な性格であるかのように映っていたが、実際に握手会で会って話してみると非常に明るくて、そのギャップに驚いたことを鮮明に覚えている。
乃木坂46の1stアルバム『透明な色』の特典で鈴木絢音さんとのツーショット撮影会に当選して二人で写真を撮ったことなども、今思い返すとなかなか貴重な体験だった。


しかし、大学に入学したこともあり、11thシングルの『命は美しい』発売以降は私生活で一気に忙しくなった。
そのため、鈴木絢音さんについて偉そうに語れるほど握手会やライブなどには行けていない。
また、絢音さんが出演している作品などは何となく知ってはいるが、恥ずかしながらどれも鑑賞できていない。
私は今でも絢音さんのことを一人のアイドルとして本当に好きだが、正直今は「絢音さんのことを応援している」と胸を張って言えないほど絢音さんや乃木坂46の活動は追えていない。


ただ、やはり初期の頃から絢音さんを応援してきた身としては、絢音さんの1st写真集発売はビッグイベントだ。
だからこそ、今回はそんな絢音さんの写真集を手にして、私が知らない「今」の絢音さんの魅力に迫りたいと考えた。


鈴木絢音1st写真集『光の角度』


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レンズ越しの信頼

今作のカメラマンを務めた新津保建秀氏は、様々な著名な芸能人の写真集を撮影してきた大御所カメラマンだ。
実は、鈴木さんの希望によって今作のカメラマンを新津保氏が担当することになったことを、以下の記事で述べている。

初の写真集に臨むにあたり、基本的には“おまかせ”を貫いたそうだが、唯一、自分が希望したのがカメラマン。信頼する新津保氏について、「以前、一度撮っていただいた時、すてきに撮っていただいたのでお願いしたいなと思いました。今回の撮影はそこだけ私の意思が入っていて、あとはカメラマンさんやスタッフさんにおまかせ、という形でした。撮影はもちろん、合間に本のお話などもいろいろできて、すごく楽しかったです」とリラックスした雰囲気を作ってくれたと明かす

乃木坂46鈴木絢音、“ファン孝行”できた初写真集 個人の活動で「後輩につなげていく」意志(オリコン) - Yahoo!ニュース

このようなところから、鈴木さんはカメラマンやスタッフのことを信頼して写真集の撮影に挑めたことが分かる。


そして、以下の記事から、新津保氏が鈴木さんの「自然な表情」を引き出すために撮影中に撮り方も工夫をしていたことが分かる。

――写真集は鈴木さんらしくもあり、新津保さんらしくもあると感じます。ちなみに撮影中、新津保さんはどんな感じで鈴木さんを撮られてたんですか?
鈴木:隠し撮りしていました。クローゼットの中やカーテンの隙間から、こっそり撮るみたいな(笑)。下着のカットは、まさにそんな感じで撮っていただいてます。
――この下着のカットはちなみに何をされている時ですか?
鈴木:これは普通に着替えているところです。
――本当に盗撮みたいですね(笑)
鈴木:確かに(笑)。でもそのおかげで、ふとした自然な表情が写っていると思います

乃木坂46 鈴木絢音が語る、“王道ではない写真集”を目指した理由「10年後に見返しても古くならない作品になった」|Real Sound|リアルサウンド ブック

また、今作の表紙も、休憩中に不意に撮られた一枚であることを明かしている*1


こういったエピソードを聞いていると、今作は新津保氏がそのような素の鈴木さんを尊重して撮影した写真集であると感じた。
そして、このように鈴木さんが素の姿を曝け出すことができたのは、鈴木さんが新津保氏をはじめとするスタッフ陣を信頼していたからだと言えよう。


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本の虫

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

鈴木さんには、言うならば生粋の「文学少女」だ。
鈴木さんは、「乃木坂46イチの読書家」とも言われるほどの読書家であり、年間100~200冊も読破するほどだ*2


そのような鈴木さんの読書家としての一面を写すべく、鈴木さんが本を持ったり読んだりしているカットが今作には多く含まれている。
また、鈴木さんは基本的に休日を家で過ごしている*3からか、南国で撮影したにもかかわらず今作には海や砂浜よりも室内で撮ったカットの方が多い。
更には、鈴木さんは家にいるときはずっと眼鏡をかけているということもあり、今作には眼鏡のカットも多い。
これらの演出が合わさった結果、「文学少女」としての鈴木さんの素の姿が強調されたように思える




そして、鈴木さんの「文学少女」としての側面は、今作の構成にも影響を及ぼしている。


特に文学的なのは、全体を通して読むと“繋がり”を感じられるようになっている点だ。
前後のカットにどのような“繋がり”があるのかは明確にはされていないが、その“繋がり”を推察することで、正に読書をしているときの「行間を読む」ような感覚を味わうことができる。


また、今作には、鈴木さんが登場せず、タヒチの風景だけを写したカットも随所に挟まれている。
アイドルの写真集にそのような風景写真が含まれることは非常に珍しいが、今作では敢えて含んでいる。
今作における風景写真は情景描写としての役割を果たしていて、鈴木さんと一緒に未知の土地タヒチの豊かな自然を体験することができる。




このように、文学好きな鈴木さんの一面を写真の中で演出しつつ、作品全体の構成に文学的感覚を取り入れることで、「文学少女」である鈴木さんの個性が滲み出す唯一無二の作品になったと感じる
そして、この作品を通して、「文学少女」としての鈴木さんの個性的な素の姿を知った気分になることができる。


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クールビューティの笑顔

鈴木さんは、あまり笑顔を見せないクールビューティとして有名だ。
テレビに出演するときは、無表情でいることが多く、口数も少ない。
また、鈴木さんの自撮りなどを見ていると、真顔で写っているものが多い。
そういったところから、乃木坂46の冠番組『乃木坂工事中』で『乃木坂イチのクールガール、絢音ちゃんを笑わせろ!』といった企画があったくらい、鈴木さんのクールキャラが乃木坂46のファンの間では定着していたように思える。


しかし、メンバーからは、「プライベートでは常に喋っている」「話し声も大きい」等の証言もあり、素の鈴木さんは決してクールキャラではないようだ。
実際、握手会で鈴木さんと話してみれば、満面の笑みでイキイキと話してくれる。
Showroomで仲のいいメンバーといるときも、和気藹々と話す現代っ子らしい姿も見られる。


そして、今作では数々のカットでそのような鈴木さんの笑顔が見られる。
その理由として、今作の撮影地であるタヒチが選定されたことが大きく影響しているように感じられる。
『光の角度』の撮影地であるタヒチは、鈴木さんとの関連性が薄い土地である。
鈴木さんは、撮影地の選定については以下のように述べている。

 撮影はタヒチ島とモーレア島の二つの島で行われた。「東南アジアや中国も候補にあがっていたのですが、前にも行かせていただく機会があったので『せっかくならまだ行ったことのない場所にしよう』とタヒチになりました」と振り返った。

乃木坂46鈴木絢音、初の写真集は“アイドルの王道じゃない1冊” 「自分らしい作品に仕上がった」 【ABEMA TIMES】

つまり、撮影地がタヒチである必要性はあまりなく、鈴木さんにとっては撮影地を選定するうえで行ったことがない場所であるという点こそが重要であったことが分かる。


過去に写真集を出したメンバーの写真集の撮影地は、そのメンバーの希望に沿って選ばれたり、そのメンバーのゆかりの地であったりと、何かしらそのメンバーと関連がある場所であったことが多い。
堀未央奈さんの1st写真集『君らしさ』は「念願のアメリカ全土」で撮影され*4、北野日奈子さんの1st写真集『空気の色』も「北国で撮影したい」という本人の希望をかなえて北欧・スウェーデンで撮影された模様だ*5
生田絵梨花さんの1st写真集『転調』の場合は、彼女の生誕地であるデュッセルドルフで撮影された*6
このように、他のメンバーの写真集の撮影地と比べてみると、今作の撮影地に鈴木さんと関連性の薄いタヒチが選定されたことは珍しい。


ただ、鈴木さんの性格を鑑みると、この選択は腑に落ちる。
以下のインタビューで自身が述べている通り、鈴木さんは非常に好奇心旺盛な人間だ。

――学習意欲が高かったのですね。
【鈴木】 いえいえ(笑)。好奇心は旺盛なほうかもしれませんが、私は深く突き詰めるよりも、浅く広く関心をもつタイプな気がします。図鑑は文字や絵が綺麗に整理されているのが魅力で、デザインとしても楽しめます。

「本が私と家族をつないでくれた」 乃木坂46きっての読書家・鈴木絢音が語る、本の魅力(PHPオンライン衆知(Voice)) - Yahoo!ニュース

新たな発見ができることに対して前向きな好奇心旺盛な鈴木さんであるからこそ、今作の撮影地が敢えて未知の土地であるタヒチになったと考えることができる。


鈴木さんは、そんなタヒチで実際に撮影した感想を以下の記事で述べている。

― 今回の写真集では、タヒチのタヒチ島とモーレア島と島に訪れていますが、行きたかった場所なのですか?
鈴木:場所はお任せしてセレクトしていただきました。でも本当に海も綺麗で、楽しかったです!これまで積極的に海に行こうと思うことがなかったのですが、この写真集の撮影を通して海が好きになって、行きたいなと思うようになりました

乃木坂46鈴木絢音、初写真集“裏テーマ”に秘密 グループ転換期に思う役割・後輩への想いとは<「光の角度」インタビュー> - モデルプレス

このような発言からも、鈴木さんがタヒチに心を動かされていたことが伝わる。


そして、鈴木さんが真顔でいるカットが今作の大半を占めている一方で、海を眺めたり泳いだりするカットや部屋の中ではしゃぐカットでは鈴木さんの可愛らしい笑顔も見られる。
撮影地のタヒチは、新たな発見ができる未知の土地であったからこそ、素の鈴木さんに近いように思われるこのような笑顔の姿を引き出すことができたのだろう
そう考えると、タヒチは好奇心旺盛な鈴木さんの性格との親和性が高い撮影地だったと思える。
そして、クールビューティーである鈴木さんの可愛らしい笑顔が見られたことで、鈴木さんの素の姿を知った気分になることができる。


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ありのままの21歳

今作では、21歳である鈴木さんの「大人」な一面を見ることもできる。


まず、今作には鈴木さんの水着姿やランジェリー姿が収められている。
鈴木さんといえば、その清楚な見た目や勤勉な性格から「純粋無垢」といったイメージが乃木坂46ファンの間では浸透している。
これまで鈴木さんは肌を露出することがほとんどなかったからこそ、今作のそのような露出度の高いカットは非常に新鮮だ。
鈴木さんは、ボディメイクなどはあまりせずに今作の撮影に挑んだことを以下の記事で述べている。

― そうなんですね!こんなに肌を出すことは今までなかったと思いますが、写真集に向けてボディメイクはしましたか?
鈴木:少し鍛えた時期もあったのですが、あまり成果が出なくて、結局そのままの自然体な姿で挑みました。

乃木坂46鈴木絢音、初写真集“裏テーマ”に秘密 グループ転換期に思う役割・後輩への想いとは<「光の角度」インタビュー> - モデルプレス

このようなところからも、今作では鈴木さんのありのままのヘルシーボディが写し出されていることが分かる。
そのような姿は、正に21歳になった鈴木さんだからこそ魅せることができる「大人」な一面である。


更に、今作の後半には、お酒を飲んで酔っ払ってしまった鈴木さんが笑顔を見せるカットなんかもある。
その笑顔は、握手会やShowroomなどで見せるあどけないものとは打って変わり、妖艶で大人っぽい。
このような姿は、お酒を飲んだからこそ見られたものであったと、鈴木さんは以下の記事で言及している。

SHOWROOMでは、撮影時について「お酒は強くなくて、カクテル1杯も飲んでいないのにこんなに酔ってしまったという……(笑い)」と明かし、「こんなに気の抜いた笑顔はお酒を飲んでいるからこそですよ。なかなか見せないですよ」と語った。

乃木坂46鈴木絢音:“なかなか見せない”キュートな酔いの笑顔 色っぽく… 初写真集「光の角度」新先行カット公開 - MANTANWEB(まんたんウェブ)

お酒を飲んだ後に眠ってしまったという可愛らしいエピソードもあり、そのカットも今作には収められている。
鈴木さんがアイドルであることもあり、公の場でお酒を飲んでいる姿はこれまでなかなか見ることができなかった。
だからこそ、お酒を飲んで気を抜いた姿は、これまで我々が見たことがない新鮮な鈴木さんの「大人」な一面であると感じた。


我々が露出が高めな姿やお酒を飲む姿といった鈴木さんの「大人」な面を見る機会はこれまでほとんどなかった。
そう考えると、今作で写し出された21歳の年齢相応な「大人」の一面は、非常に貴重なものであったに違いない
「大人」な鈴木さんにはあまりにも馴染みがなかったため、私個人はそのようなカットを見ると少し罪悪感すらをも覚えてしまった。
だが、そのような隠されていた一面を見ることができたからこそ、21歳の鈴木さんの素の姿を知った気分になることができる。


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結論

今作の大きな特徴は、やはり鈴木さんの多様な姿を見ることができる点だ。
「文学少女」としての鈴木さん、あどけない笑顔で未知の土地タヒチを楽しむ好奇心旺盛な鈴木さん、「大人」な21歳の鈴木さん。
これらはどれも「今」の鈴木さんを表す姿であるため、今作を読むことで鈴木さんの素の姿に近づけたかのような感覚が味わえるようになっている
そして、このように鈴木さんの素の姿を映し出すことができたのは、タヒチという鈴木さんにとっては発見の多い未知の土地で撮影したことや、信頼できるカメラマンやスタッフと撮影したことのおかげであると考えることができる。


もちろん、写真集の撮影なので、自然体はある程度演出されているものなのかもしれない。
だが、そこはあまり重要ではなく、大事なのは素の姿に迫った“つもり”になることができる点だ。
そう考えると、「[…]ページをめくるたびに移り変わる彼女は素顔なのか、それとも演じているのか——。」という帯文が非常に的確に今作の魅力を表現していると感じた。


今作がきっかけとなり、鈴木さんという人物に魅了される人がきっと増えることでしょう。




鈴木絢音1st写真集『光の角度』

鈴木絢音1st写真集『光の角度』

僕だけの君 〜Under Super Best〜(通常盤)

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  • アーティスト:乃木坂46
  • 発売日: 2018/01/10
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