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『仮面ライダーセイバー』主演の内藤秀一郎はなぜ文春砲で炎上すべきでなかったのか

『仮面ライダーセイバー』は2020年9月6日から絶賛放映中だ。
仮面ライダーセイバーに変身する主人公の神山飛羽真を、埼玉県出身の1996年生まれの俳優である内藤秀一郎さんが熱演している。


しかし、少し前に『文春オンライン』にて、内藤秀一郎さんがYouTuberのかすさんと交際していることや、路上喫煙をしていたこと、マスクを着用せずにパチンコ店でスロットを打っていることなどが報じられた。


そして、この報道を受けて、多くの人たちが内藤さんのことを「子供にとって悪影響」「意識が低い」などと言って叩いた。
この記事では、本当にこれまでの内藤さんに対する罵詈雑言が妥当であったかかどうかを検証していきたい。
予め言っておくが、私は決して内藤さんの行動を擁護しているわけでも、批判しているわけでもない


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犬飼貴丈の3つの制約

『仮面ライダービルド』で主演を務めた犬飼貴丈さんは、2020年8月に『ダウンタウンなう』というバラエティ番組に出演した際に、『仮面ライダービルド』の主役に抜擢された際にプロデューサーにより私生活で色々と制約をかけられていた旨を証言していた。
その番組内で、プロデューサーから気をつけるよう言われたこととして、「信号無視はしないで下さい」「歩きながら物を食べないで下さい」「女性と手をつないで歩かないで下さい」という3つの制約を犬飼さんは挙げていた。


信号無視は道路交通法第7条といった法律で禁じられているため、「信号無視はしないで下さい」はルール違反 (法律違反) の抑止であると言える。
また、多くの日本人にとって食べ歩きはマナー違反とされているからであるため、「歩きながら物を食べないで下さい」はマナー違反の抑止であると言える。
ルールやマナーに関する制約が設けられていることの背景には、ヒーロー番組の俳優が私生活においても子供にとっての模範的存在であることが望ましいというプロデューサーの考えが恐らくあるのだろう


一方で、「女性と手をつないで歩かないで下さい」のみ、子供への悪影響を及ぼす行為を阻止するために設けられているとは思えず、制約の意図が不明だ。
というのも、女性と手をつなぐこと自体は法律等で禁じられているわけでもなければ、狭い歩道で手をつなぐなど他者に迷惑をかけることでないかぎりマナー違反でもないからだ。
そもそも、犬飼貴丈さんが主人公の桐生戦兎を演じた『仮面ライダービルド』作中には、2号ライダーの仮面ライダークローズに変身する万丈龍我が恋人と手を繋ぐシーンが存在した。
龍我は「正義の味方」である戦兎の相棒的存在として描かれていたため、多くの子供たちが龍我の行動を手本にすることは容易に想像できる。
もし女性と手をつないで歩くことが子供にとって悪影響でありヒーローが取るべき行動ではない、と製作陣が考えているのであれば、そのようなシーンを描くはずがない。
よって、個人的に私は、この制約は「女性スキャンダルへの対策」として設けられたと推測する。
というのも、『仮面ライダーシリーズ』は毎年俳優陣の熱狂的な女性ファンを生んでいるため、俳優に女性スキャンダルが発生するとその番組にも影響が及びかねないからだ。


とにかく、意図はどうであれ、これらの3つの規約はプロデューサーに言われているルールなので、仮に俳優がどれかを破った場合は「ルール違反」になる。
ただ、制約はプロデューサーと俳優の間で決められたことであり、我々も犬飼さんが述べた3つの制約以外に関しては具体的な内容を知らない (というか、そもそも犬飼さん以外の俳優にも同じ内容の制約があるのかすら分からない)。
よって、本当にルール違反であるか不確実であることに対して、我々部外者が憶測のみで俳優を糾弾することは間違っていると私は考える
もし内藤さんが何らかの規約に反した行動をしていたら、追及したり制裁を加えたりするのはその規約を定めた東映や所属事務所などの関係者たちの仕事である。


私がそのようなスタンスであることを念頭においたうえで、皆様にはこの先読み進めてほしい。


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ヒーロー俳優と女性

先述した通り、犬飼さんが挙げていた3つの制約のうち「女性と手をつないで歩かないで下さい」のみ、子供に悪影響を及ぼす行為を阻止するための制約でなく「女性スキャンダルへの対策」であると推測する。
そう考えると、今回文春記事の見出しにもなった内藤さんの女性YouTuberの方との熱愛も、プロデューサーに言われた制約に反している可能性はある。
その場合、制約を設けた東映や事務所と内藤さんが関係者同士で解決すべき問題であり、部外者の我々が首を突っ込んで内藤さんを叩くようなことではない


そして、たとえば、恋愛禁止のアイドルが恋愛していたのであれば世間に対して嘘をついていたと捉えることはできるが、内藤さんは公に恋愛禁止を宣言している俳優ではないので、別に他者に対して嘘をついていたわけではない。
よって、週刊誌に女性と一緒にいるところを撮られたことに関して我々部外者が「意識が低い」と批判することもできない

ヒーロー俳優とタバコ

まずは、内藤さんが喫煙をしていたこと自体について考えていきたい。
内藤さんは成人済みの立派な大人なので、20歳未満の喫煙を禁じる未成年者喫煙禁止法には抵触おらず、ルール違反にはあたらない。


また、内藤さんが喫煙する姿が「子供にとって悪影響」といった声もあった。
たしかに、喫煙は身体に害を及ぼすこともあるが、タバコのせいで身体がどうなろうと、大人である内藤さんの自己責任だ。
内藤さんが喫煙している姿が「子供にとって悪影響」だと自分の基準で判断するのは勝手だが、不法行為でもないのにその判断基準を内藤さんに押し付けるのはおかしい。




一方で、路上喫煙に関しては、条例で制約が設けられている地域があるため、ルール違反になる可能性はある。
以下のサイトには、東京都内の路上喫煙等防止条例の制定状況がまとめられている。

もし内藤さんが喫煙していた場所が、上のサイトで記載されているような条例で路上喫煙が規制されているところであったのであれば、内藤さんは条例 (ルール) に抵触したことになる。
ただ、内藤さんがどこで喫煙していたのかなどの具体的な情報はないため、条例違反の場所で路上喫煙していたと決めつけて叩くのは冤罪にもつながる可能性があるため非常に危険だ。
よって、路上喫煙が禁じられている場所で喫煙していたのかどうかは、司法機関がしっかりと判断するべき内容であり、我々が勝手に私刑を加えるべきことではない


また、路上喫煙がマナー違反であるかどうかに関しては、他者に迷惑をかけていたかによる。
たとえば、路上喫煙等禁止区域であるかどうかにかかわらず、人通りが多い道など周りに非喫煙者がいる可能性のある場所で喫煙していたのであれば、その人たちを受動喫煙のリスクにさらすことになる。
だが、どのような環境で喫煙していたのかが分からない以上、我々はマナー違反と決めつけて内藤さんを糾弾することはできない

ヒーロー俳優とパチンコ

内藤さんがパチンコ店でスロットを打っていたこと自体も同じく、ルール違反でもなければマナー違反にもあたらない。
内藤さんは成人済みの立派な大人なので、18歳未満のパチンコ店への入店を禁じる風営法には抵触しない。
パチンコがギャンブル依存症を誘発する危険性がある点に関しても、本人はそのことを理解して行っているはずだ。
内藤さんがパチンコしている姿が「子供にとって悪影響」だと自分の基準で判断するのは勝手だが、不法行為でもないのにその判断基準を内藤さんに押し付けるのはおかしい。


内藤さんがパチンコ店でマスクを着用せずに遊んでいたことに関しても、写真一枚をみただけで安易に叩くのは非常に危険だ。
感染症対策でマスクを着用することは法令等では義務化されていないため、マスクを着用していなくても法令違反にはあたらない。


現状、入店時に客にマスクを着用してもらうかどうかは個々の店舗や企業に委ねられている。
よって、もし内藤さんが文春に撮られたパチンコ店が入店客にそのような要請をしていたのであれば、マスクをせずに遊んでいた内藤さんはお店が定めたルールに違反したことになる。
このご時世、ほとんどのお店は入店客にパチンコ店はマスク着用をお願いしているので、たしかに内藤さんがルールを破っていた可能性は高い。
ただ、仮にルールを破っていたのであれば、ルールを定めた店舗と内藤さんの関係者同士でやりとりすべき内容であり、当事者でない我々がとやかく言う筋合いはない


我々も関係者となり得るのは、内藤さんが感染症対策を怠ったせいで感染拡大に加担してしまい、我々が属する日本社会全体に迷惑をかけてしまった場合だ。
その「感染症対策を怠った」かどうかの指標として、厚生労働省が提示している「新しい生活様式」がある。

外出時は常にマスクを着用することが当たり前であるかのような風潮はあるが、この「新しい生活様式」に関しては実は以下のような記載がある。

外出時や屋内でも会話をするとき、人との間隔が十分とれない場合は、症状がなくてもマスクを着用する。

新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を公表しました|厚生労働省

つまり、「新しい生活様式」に沿って考えると、会話をしていない場合はマスクの着用は不要であると解釈することができる。
文春記事に掲載された内藤さんの写真だけからは、誰かと会話をしていたのかどうかは判断できない。
よって、感染症対策を怠っていたと断定して内藤さんの行動を叩くことはできない


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結論

繰り返し言うが、私は決して内藤さんの行動を擁護しているわけでも、批判しているわけでもない。
私が親であったら、今回の文春記事で取り上げられた内藤さんの行為で子供に真似して欲しくないことはいくつかある。


ただ、「子供にとって悪影響」かどうかは本当に個々人の基準によって変わることであり「普遍的な正しさ」などないことは理解しておくべきだ
もし誰かの行為が自身の子供にとって悪影響であると感じるようであれば、自分の基準を相手に押し付けて行動を抑制するのではなく、そのような行為を真似しないように親がしっかりと教育するべきだ。


たしかに、東映や事務所が俳優に対して制約を設けたことには、ヒーロー番組の俳優が私生活においても子供にとっての模範的存在であることが望ましいという考えが背景にあるだろう。
ただ、俳優がそのように振る舞うように部外者である我々視聴者までもが求める資格はない。
ましてや、部外者の我々が、東映や事務所が設けた制約を勝手に拡大解釈して俳優を叩くこともおかしい。


また、内藤さんが何かのルールやマナーに違反したのであれば、それは関係者同士で解決すべきことあり、部外者の我々が口出すべきことでは決してない。
そして、法律違反であると断定できない行為を取り上げて、確信がないまま叩くことも非常に危険だ。


このことは、内藤さんのことだけでなく、凡ゆる著名人叩きに当てはまると感じる。
近年、過度なバッシングによって精神的に追い込まれて、自身の命を経つ著名人なども数多くいるので、余計にそう感じる。
たしかに、我々日本人には言論の自由があるので、法を犯さないかぎりどんなことを言おうと自由なのかもしれない。
ただ、あなたには本当に誰かの私生活における「正しさ」を判断したり、それを強要したりする資格があるのか、今一度考えてみてほしい。





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